Voicy Journal

声を通して読者と会話し共創していく。Webメディア「日経doors」が音声に挑戦した理由

声を通して読者と会話し共創していく。Webメディア「日経doors」が音声に挑戦した理由

2020年2月18日に創刊1周年を迎えた「日経xwoman(クロスウーマン)」とボイスメディア「Voicy」がスタートした、20〜30代の働く女性に役立つキャリアやライフスタイル情報をお届けするチャンネル『毎日5分「doors」で自分磨き』

本チャンネルでは、日経doorsアンバサダーがWebメディア「日経doors」に掲載された記事の概要を紹介。アンバサダーによる感想や体験談、コメント欄に寄せられたお悩み相談への回答など、20〜30代の働く女性が気になるテーマのリアルをお届けしています。2020年3月の放送開始以来、フォロワー数も増え続けている人気チャンネルです。

今回は、Webメディアでありながら新たに「音声」での発信にも挑戦する日経BP オーディエンスエンゲージメントユニット長の内田久貴さんにお話を伺います。

内田さんは「日経xwoman」で300人のアンバサダーがブログを投稿するサイト「日経xwoman terrace(クロスウーマン テラス)」を企画、運営されています。

立ち上げからわずか1年というタイミングで音声メディアにチャレンジしたのは何故なのか。音声を通した読者とのコミュニケーションを始めて、今感じていることを率直にお話しいただきました。

Webメディアに携わり、読者との双方向性のあるコミュニケーションに興味がある方に、ぜひご一読いただきたいです。

「活字」が届きにくくなっている今こそ「音声」で可能性を広げてみたかった

―― 今回、Voicyで音声発信を始めていただきました。どのような座組みか、教えてください。

Voicyのチャンネル『毎日5分「doors」で自分磨き』は、Webメディア「日経doors」のアンバサダーが5名、日替わりでパーソナリティを務め、日経doorsの記事と絡めた独自の見解や感想を届けるというコンセプトの番組です。

「日経doors」とは、キャリアアップに意欲的な20~30代の働く独身女性に向けたメディア。転職・結婚・出産など、次々に訪れるライフイベントに合わせた本当に役立つ学び・自分磨き術や、失敗しない“複業”のコツ、身近なロールモデルのインタビュー、そして後悔しないパートナーの選び方まで掲載しています。

そして日経doorsの読者であるアンバサダーは、日頃「日経xwoman Terrace(クロスウーマン テラス)」というブログスペースで、メディア記事に対するご意見・ご感想を書いていただいています。

媒体資料「~すべての世代の働く女性が輝くために~ 女性向けWeb媒体 ご案内」より

今回スタートした『毎日5分「doors」で自分磨き』は、声で聞くアンバサダーブログです。個性豊かな5人のアンバサダーによって、日経doorsの新たな魅力が発信されることを期待して開始しました。

―― これまで「Webメディア」という媒体の特性にとらわれずに、読者との関係性を常に模索し築いてきた内田さんですが、なぜ今、新たに音声発信に取り組み始めたのでしょうか?

メルマガ等の活字アプローチ以外にも挑戦していかなければ、今後、読者とのコミュニケーションの広がりに限界がくるのではないか。そう考え、音声発信に取り組み始めました。

私が関わる「日経xwoman」は、ご覧のとおり「活字メディア」です。中でも、20〜30代の働く女性に向けたWebメディア「日経doors」では、メルマガやLINE公式アカウント、Twitterアカウントなどを活用し、読者とのさまざまなコミュニケーションを試してきました。しかし、どうにも活字の発信では、読み流されてしまって読者の心まで届きにくい。もっと他に届ける手段があるのではないか、ということを感じていました。

20〜30代の働く女性がよく見るメディアは、インスタグラムやYoutubeを始めとした画像や動画。活字のWebメディアは読まれにくくなっています。そんな流れの中、Webメディアに興味を持ってもらいたいと思ってメディア側から「活字」でアプローチしたところで、ほとんど反応はありません。

このような課題を感じていたときに、「音声」にチャレンジしてみてもよいのではないか?と思ったことが始まりでした。

Voicyなら手軽にスピード感を持って双方向性のある音声コンテンツをつくれる

―― なぜ音声発信がよいと思われたのでしょうか?また数ある発信手段の中で、Voicyを選んでいただけたのはなぜでしょうか?

Voicyなら、一方的な発信ではなく、双方向性のあるコミュニケーションができるのではないか、という印象があったからです。

「声のブログ」としてブロガーのはあちゅうさんやイケハヤさんが始められた頃にVoicyを知り、声で届けるメディアは面白そうだなと思っていました。パーソナリティがVoicyでお話されたことが、リスナーの心の奥まで深く届いている感覚がありました。

パーソナリティがリスナーに話す、という点においては「一方向」ではありますが、リスナーがパーソナリティから受け取ったメッセージに共感して、感じたことや思いをコメント欄やTwitter上で伝えられる「双方向性」があるところは、Voicyならではだと思います。

PodcastやYoutubeのようなプラットフォームで発信するのも良いかもしれませんが、私たちの最終目的はあくまで「Webメディアに来て記事を読んでもらうこと」。プラットフォームで完結してしまっては意味がありません。

だからこそ、コミュニケーションの場にもなるようなVoicyであれば、新たな「会話」が生まれて完結することなくリスナーがWebメディアにまで来てくれるのではないか、と考えていましたね。

―― コミュニケーションの場としてVoicyを選んでくださったのですね。実際に放送してみていかがですか?

もともとVoicyを使っている既存リスナーと「日経doors」読者の年齢層が重なる部分が大きく、求めていた層にリーチできています。放送後にデータを見てみると、20〜30代の女性に届いていますし、堅いイメージがあった「学び」のコンテンツが好まれる、女性だけでなく男性も聴いてくれている、という意外な発見もありました。

そして期待以上だったのが、Voicyから記事への遷移数。正直なところ、音声メディアからWebメディアへの遷移は見込めないのではないかと思っていました。アンバサダーの皆さんの新たな発信手段として使って、リスナーへの潜在的なリーチが広がればそれで充分だと思っていたところもあったので驚いています。

―― コメント欄も好意的な感想ばかり寄せられていて嬉しいです!上記以外にVoicyを選ぶ決め手になった要素はありますか?

Voicyは「発信までのスピード感」「コンテンツ制作の手軽さ」が理想的でした。

音声発信の手段としてPodcastやYoutubeも候補として挙がっていたのですが、どこから手をつければよいのか分からないほど全く知見もない状態で。また日経xwoman編集部には新たなメディアを運営する人的リソースもありません。

ただ、発信するからにはスピード感を持って満足していただけるコンテンツを提供したい、メディアのブランドを毀損するような品質のものは出したくない。それをうまく両立させられると感じられたのが、Voicyです。

Voicyはスマホ一台あれば、編集技術は一切不要でコンテンツとして発信することができます。発信内容さえ決まってしまえば、負担は少なく発信することができると思いました。また、Voicyの担当者と一緒に、コンテンツ内容の検討やパーソナリティのチームビルディングができたことも良かったです。

アンバサダーの思いを届けるには、本人性も伝わる音声がぴったりだった

―― 少しネガティブな質問になるかもしれませんが、「読者(アンバサダー)が自由に思ったことを話す」という形式の発信だと、話される内容に不安を感じることはないのでしょうか?

アンバサダーの方を信頼しているので不安はありませんね。念の為、放送前に音源を聴いて確認していますが、録り直してもらったことはありません。

コンセプトとしてはアンバサダーブログと同じ。ブログでは文字で自由に意見や感想を届けられ、Voicyでは声でそのまま話すことができる、という発信方法の違いだけです。

日経xwomanとしては、読者にスポットを当てたいという思いがあります。だからこそアンバサダーブログ「日経xwoman terrace」を立ち上げたのですが、読み手である第三者の目線で「記事にはこう書いてありますが、本当のところはこう思っているんですよ」という本音に近い意見を出してもらうことに意味があると考えています。

音声のメリットとしては、感情を乗せられるところではないでしょうか。本音ベースでどう思ってるのか、が声なら伝わってきますし、説得力もあります。声に性格も出てくるので、人となりと共に、考えていることがそのまま出てくるので面白いですね。

こだわりが強く完璧なものしか出したくない、という場合には、音声は難しいのかもしれませんが、「思ったことがそのまま顔に出る」のと同じ感覚で、「考えたことしか出てこない声で読者に発信してもらう」ことで、よりメディア自体にも深みが増すと思っています。

―― いち読者の思いを声で届けることで、他の読者の共感も得られそうですね。声なら本人性が伝わって、より親近感を持ってもらいやすいと思います。

そうですね。親近感はアンバサダー同士でも感じていると思います。チャンネル運営については、messengerグループを作成して日々やりとりしているのですが、パーソナリティを務めてくれているアンバサダー同士が協力しながら試行錯誤してくれています。

実はチャンネル開始前のオンラインミーティングでしか顔を合わせたことがない5名なのですが、声を聴くことで「こんな人なんだな〜」という人となりが分かった上でテキストコミュニケーションができるので、一気に距離が縮まった感じがします。

ライフ・人間関係・キャリア・美容健康・学びという5つのテーマで話す、畑違いのアンバサダーがこうして繋がって、一緒に楽しみながら活動してくれていることは、私自身も嬉しいですし、本人たちの熱量がリスナーにも伝わって、読者ともいい関係性が築けていると思います。

これからは世界観を伝えながら、読者とメディアをつくる時代。

―― では最後に、これまで3ヶ月間パーソナリティを務めてくれた第1クールのアンバサダー、そして7月からパーソナリティを務める第2クールのアンバサダーにメッセージをお願いします!

まずは第1クールのアンバサダーの皆さん。5人とも独自の世界観があり、曜日ごとにそれぞれのカラーや雰囲気が出ていて、とてもよかったです。この5人が先陣を切って、自分の個性があった上で「日経doorsの記事をこんな風に解釈して読んでいます!」と自由に話していい、そんな世界観を作ってくれたと思っています。第2クール以降も話しやすくなるのではないかなと思うと、チャレンジングに楽しみながら貢献してくれたメンバーだと思っています。

「読みたい記事がない」と困るときもありながら(笑)、一回も休むことなく継続してくれたことに感謝をしています。収録する度に安定感も増してきて、よどみなく話していることが本当にすごいです。3ヶ月間、ありがとうございます!

そして第2クールの皆さん。個性を大切に「日経さんだから……」なんてことを考えずに、日経doorsをネタに自由に話してもらえたら嬉しいです。

第1クールのとき、最初と最後にどんな一言を入れるのか、にも個性が出るなと感じていました。特に「締めの一言」は、聴かなくてもいいんだけど「どうしても聴きたくなっちゃう」「聴かないと終われない」という思いにさせてくれます。第2クールも、どんなフレーズが生まれるのか、楽しみです!

―― メディア運営をされている方にも、一言メッセージをお願いします!

私もずっとメディアに携わっているからこそ分かるのですが、オウンドメディアはどうしても一方通行で供給することに慣れてしまっています。オーディエンスである読者を巻き込む怖さ、炎上したらどうするんだという不安は、簡単に拭えるものではないことも分かります。

ただ、大きな世界観をつくっていこうとするときに、著者や編集者だけでつくる世界観には限界があります。共感してくれる読者を集めて、意見や感想をダイレクトに吸収することで、どんどん新しい企画、おもしろい切り口が生まれるのです。

もちろん、アンバサダーという仕組みをつくるときに社内から「日経BPという看板を半分貸す形で、読者が言いたい放題、好きに書くのは大丈夫なのか?」という意見もありました。それでも私は「一緒に広めてくれる読者がいることは嬉しいことだ」と考え、やりきりました。

まずは共感してくれる人だけでやってみる。やりきった先に見えてくるものがあると思います。私も引き続きアンバサダーの皆さんと一緒に、楽しみながらつくっていきたいです。


チャンネル開設からおよそ3ヶ月半、着々とリスナーを伸ばしている『毎日「5分」doorsで自分磨き』。今後の放送もお楽しみに!

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